![赤瓦屋根のモデリング](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/ba264371c8a9e6590f92adfc8c823fee.png)
瓦屋根のモデリングって大変難しいと思っていました。
実際、GDLで作成するも本気で作りすぎて重くて利用出来ずに断念。
そこで改めて瓦屋根を見直した時に、瓦屋根は同じ素材が規則正しいグリットで配列している所と、カーテンウォールツールのスキームを利用し、グリットに素材を割り当てれば良いのではと考え、その特性を利用する事で、割と簡単に作成する事が出来ましたので、ご紹介致します。
1.瓦のパーツを作る
瓦のグリットの検証からしていきます。
平面図と断面図で確認します。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/0eb12a56c312dae4c1ac518a2907dc60.png)
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/72214a34eeae0c00ce4ffc1df43a5227.png)
図面化するとグリットの感じが見えてきましたので、平面図にグリットの元を重ねて確認してみまと
男瓦は、[幅180mm][高さ300mm]しっくい込みとなります。
女瓦の実際の瓦サイズ幅は[280mm]ですが、表面に見える幅は[120mm]なのでグリット幅は[120mm]とします。
高さの働き高さは[250mm]ですが、設定画面にて調整します。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/d1493f08ac3074502af580ecf3129a19.png)
これをベースにの4つの部品を作成していきます。
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男瓦
断面形状に、直径150mmの円を25mm上側にずらして作成。
中身は、形状を詰めた形(ソリッド)にしました。(ポリゴン数を減らす為)
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/c01eced26e5bcf3e2daf81033b473f7c-1024x578.png)
[梁ツール]→[セグメント]→[構造タブ]から断面形状
登録した、「kawra_M」を選択、材質上書きは、「リノ-赤」を選択し300mmの長さで作図
材質に関しては、デフォルトの材質で色々試した結果、一番赤瓦に近いと感じたので使用しましたが、お好きな物を選ぶ、又は新規で材質作成してお試し下さい。
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しっくいの作成
漆喰の下図として、男瓦の断面形状から形状図形をコピーし、作図した梁の上に貼りつけます。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/342a20380b1e163ded29e9258d15d1f0.png)
[梁ツール]→①[セグメント]→[構造タブ]から②[○]を選択し、③[直径を30mm]
材質上書きで、④[漆喰-白]を選択してOK
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/2f9fbc4660e58a7242c667edbf7a297e.png)
図形作成法を[曲線]を選択
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/647fd94ac2dff8c644bd84cd1b9298d1.png)
下図を元に作図します。
作図した図形を選択し、[右クリック]→[選択内容をモルフに変換]
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/c8c0ff79858675e8b11be8d602c735ff.png)
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/a2f17d159d0bfbb0dfd090044479f575.png)
作成した図形を横から見た立面図、又は断面図を表示させます。
[編集]→[移動とコピー]→[回転]を選択して90°回転させます。
しっくいの位置が合っていない場合は、瓦の位置に合わせます。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/4cc18a1b24c48a8b3b3205db60805491.png)
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平面に戻り、2つの図形を選択し、[ファイル]→[ライブラリとオブジェクト]→[選択内容に名前を付けて保存]→[カーテンウォールパネル]
名前を[男瓦]としOK。使用可能のダイアログがでますので、そのままOK
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![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/452cc35790f02c04e1b07403f837fa3a.png)
男瓦役物
男瓦で作成した図形2つを横にコピーします。(実際はコピーせずにそのままでも良いのですが、モルフ化するので、元に戻れなくなる為、念のためです)
梁を選択し、先端をクリックし、[15mm]短く[285mm]にします。
軒先の瓦パーツ
[梁ツール]→①[セグメント]→[構造タブ]から②[○]を選択し、③[直径を150mm]
材質上書きで、④[リノ-赤]を選択してOK
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/fe700da442e4576f5de5f60b14f8438f.png)
[図形作成法]は[単一]
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/777e25862688cce0a5d957020011c5b6.png)
長さを瓦先端から[15mm]で作図(全体の長さは[300mm])
3D画面で高さ位置を合わせます
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/455ef568322b31124831f30688a51c80.png)
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/57ee7a261c9ffd6f1235a6d00490f64b.png)
15mmで作図した図形を選択し、[右クリック]→[選択内容をモルフに変換]
断面形状の梁と接している①[ライン部分を選択]し、ペットパレットを表示させます。
②[辺のカスタム設定]→辺のタイプを③[非表示]→変更を適用④[クリックした辺]→[OK]
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![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/1c22ab5f8a41dcb8852cdf118fdb5993-1.png)
同様に断面形状で作成した梁を選択→[右クリック]→[選択内容をモルフに変換]
先程と同じ部分を①[選択]し、ペットパレットを表示させます。
②[辺のカスタム設定]→辺のタイプを③[非表示]→変更を適用④[クリックした辺]→[OK]
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/67a8367495b9375f44a11a56ca3b262b.png)
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/3ee724730692206c209f036f304e4bd0-1.png)
しっくいの①[先端面をクリック]→②[辺のカスタム設定]→材質③[漆喰-白]→変更を適用④[クリックした面]→[OK]
反対側の面も同様にします。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/3162776df20a37faf1771cddb776241d.png)
そのまま3D画面で、しっくいまで含めた3つのパーツを選択
[ファイル]→[ライブラリとオブジェクト]→[選択内容に名前を付けて保存]→[カーテンウォールパネル]
[カーテンウォールパネルを保存]のダイアログは、[水平面]で継続と保存をクリック
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/811313ae964df5a48ea659fef0d0d7ce.png)
名前を[男瓦役物]としOK。使用可能のダイアログがでますので、そのままOK
女瓦
断面形状に、線ツール[弧の幅280mm][弧の高さを35mm]を作図し複製後、半径を15mm大きくした図形を元にマジックワンドで塗りつぶし作成。
カーテンウォールツールでのグリットでは[120]としますが、しっくい部分に[10mm]飲み込みさせたいので[公称幅140.0][公称高さ50.0]とします
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/35e3a11fad78b7e28868da2482ef7574-1024x567.png)
[梁ツール]→[セグメント]→[構造タブ]から断面形状
登録した、「kawra_W」を選択、材質上書きは、「リノ-赤」を選択し300mmの長さで作図
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/e3621baccd47ef2e2deb590d1c7191bf.png)
作成した図形を選択して、F5キーで3D表示に切り替え①[上側をクリック]→ペットパレットが表示されたら、②[角度を修正]→③キーボード入力[Zキー]→④キーボード入力[-15]→[リーターンキー]で屋根の棟側を瓦の厚み15mmを下げます。
※これは、棟側に連続で配置した再に重なる様にする為です。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/9b4873804edcc1e0798e02c78cc76271.png)
これで女瓦は出来ましたので、オブジェクト登録します。
選択状態から、[ファイル]→[ライブラリとオブジェクト]→[選択内容に名前を付けて保存]→[カーテンウォールパネル]
[カーテンウォールパネルを保存]のダイアログは、[水平面]で継続と保存をクリック
名前を[女瓦]としOK。使用可能のダイアログがでますので、そのままOK
女瓦役物
[梁ツール]→[セグメント]→[構造タブ]から断面形状
登録した、「kawra_W」を選択、材質上書きは、「リノ-赤」を選択し285mmの長さで作図
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/62d700e872f46d226b0b1c782d97650c.png)
画面を断面形状に切り替え、[断面形状マネージャー]より[kawara_W]を複製します。
名前を[kawara_W役物]
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/93fad442b23480744621a3375a1e8f7c.png)
断面の下側の辺をクリックして、ペットパレットを表示、①[辺をオフセット]
[Tabキー]→②数値入力[50]→③[保存]
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/87b9f13d19e79e5f6090eddf5836e28c.png)
平面図に戻り
[梁ツール]→①[セグメント]→[構造タブ]から②[断面形状]→③[kawara_W役物]
材質上書きで、④[リノ-赤]を選択してOK
[図形作成法]は[単一]
[kawara_W]の瓦先端から[15mm]で作図。
3Dで確認し、高さを合わせます。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/fd1c3dcdd477990077d1d79312641cee.png)
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/51c505b25a90574538894b04cfe06961-1024x785.png)
そのまま3D画面で、2つを選択し、[右クリック]→[選択内容をモルフに変換]
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/b935bd8d3c9f34ff96f99a561c06c5a8-1024x702.png)
2つのパーツの接する辺を非表示にします。
先端の[kawara_W役物]を選択し、①[辺をクリック]→ペットパレットが表示され、②[辺のカスタム設定]→③[非表示]→④[クリックした辺]→OK
同様に、[kawara_W]を選択し、①[辺をクリック]→ペットパレットが表示され、②[辺のカスタム設定]→③[非表示]→④[クリックした辺]→OK
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/10b3730f228089985697bbed0fbcbc6d.png)
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/e6dd7229ac9d20b00c484a9078a1668c.png)
次に、断面図又は立面図で側面表示させ、重なる分を回転させます。
[編集]→[移動とコピー]→[回転]
先端を①[クリック]→②[クリック]→③[Y]入力→[-15]
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/2c671ce9071f18cfdd4f3f277a38c862.png)
次にオブジェクト登録します。
2つの図形を選択し、[ファイル]→[ライブラリとオブジェクト]→[選択内容に名前を付けて保存]→[カーテンウォールパネル]
[カーテンウォールパネルを保存]のダイアログは、[水平面]で継続と保存をクリック
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/e07464d7b5c6ee65939f0f4cc84fff4c.png)
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/29574c84fce4ec67255dddf19be4476d.png)
名前を[女瓦役物]としOK。使用可能のダイアログがでますので、そのままOK
2.カーテンウォール設定
4つの部品が完成しましたので、カーテンウォールツールを開いて設定をしていきます。
最初にスキームの設定からですが、屋根面を上から見た時の設定となります。
スキームの設定
①[スキーム]②[列]は固定サイズ、③[幅]Aに[160]、プラスをクリックして、Bに[120]
Aの幅は、男瓦の断面形状で作成したしっくいも含めた全体幅[180]ですが、フレーム設置時に左右[10mm]大きくしますので[180]ー[20]=[160]です。
Bの幅は、女瓦の断面形状で作成した全体幅[140]ですが、Aの幅同様に、フレーム設置時に左右[10mm]大きくしますので[140]ー[20]=[120]です。
[高さ]は、男瓦の長さの④[300]にします。女瓦の実際の長さは250くらいですが、瓦を重ねる設定の時に調整します。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/965df9c033537527c169037863dac91a.png)
パネルの設定
①[パネル]→②[メインパネル]を③[CWカスタムパネルを選択]→④[男瓦を選択]→⑤[115]
パネル厚さは断面形状の高さに当たりますので、男瓦の断面形状の[公称高さ100]+[しっくい半径15]=[115]となります。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/f44e454f3e4649d3a2458b3b181e3154.png)
サブパネルにも①[CWカスタムパネル]としてパネル名に②[女瓦を選択]し、パネル厚さ③[50]とします。こちらの厚さも男瓦同様に、女瓦の断面形状[公称高さ]になります。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/9fcab4bc10cd436fc07f2617017b6575.png)
そのままOKします。
図形作成法を[境界]に合わせ作図していきます。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/aca85481571708b27386511b64252d15.png)
下図に底辺10M、角度45°の二等辺三角形を準備してなぞります。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/a893a18b4592c6e47225508f7508ec16.png)
3D表示してみますと、男瓦、女瓦ともに瓦がうまく反復されていません。
また、隙間もあります。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/34dca57f1f7f2a90f59432373c412460-1024x503.png)
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/88b2499b5611cdaa004007ad089650bd-1024x607.png)
修正していきます。
設定画面を開き[スキーム]の右側のAパネルの上部あたりにマウスを持って行くと[なし:結合パネル]となっているヶ所をクリックし、②[分割]
Bパネルも同様に、パネル上部をクリックし、[分割]
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/6a760e6c66dc92807ac3cd2ff3b26adc.png)
再度3Dで確認、男瓦、女瓦共に反復が出来ました。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/0431de86d4bcd058c890f966395737c8-1024x547.png)
続いて隙間と女瓦の重なりと高さを設定していきます。
設定画面を開き、[スキーム]→Bパネルの上部あたりにマウスを持って行くと[分割]となっているヶ所をクリックし、②[トランザムフレーム]
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/9f740810e5c4f78831b942854b550926.png)
次に①[フレーム]→②[トランザムフレーム]→③[非表示]→④パネルインセット[-50]キー入力
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/1939d0b70d98c3c59727b66a4ebe80e8.png)
次に①[パネル]→②[メインパネル]→③パネルオフセット[-50]キー入力
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/d645a917872833c1bb944a5c50325c15.png)
OKをクリックして確認してみます。
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/6e2ca5348bc2bcb2e4753b8f34e2ca8b-1024x650.png)
良い感じになっています。
役物の設定
3D画面で屋根を選択すると、[編集]をクリック
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/e02d134d6334e7dce2003d7764bd7fd6.png)
先端の男瓦を選択し、上部の設定ダイアログをクリックするか、[command]+[T]キーで設定画面を開き、パネル名①[男瓦]を[男瓦役物]に変更→カスタムパネルタイプ及び形状②パネル厚さ[165]→カーテンウォールパネル設定③パネル厚さ[165]→パネルオフセット④[-75]としOK
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/5cd39812dee87b5542151a6c0e97b3f7.png)
3D画面に戻り、先端の女瓦を選択し、上部の設定ダイアログをクリックするか、[command]+[T]キーで設定画面を開き、パネル名①[女瓦]を[女瓦役物]に変更→OK
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/8e288344975e7e65468738b969290fa3.png)
女瓦の飲み込みの設定
3D画面にて画面左上の①カーテンウォール設定をクリック、又は何も選択してない状態であれば、[command]+[T]キーにて設定画面を開きます。
①[スキーム]→BパネルとAパネルの境目当りをshiftキーを押しながら2ヶ所を選択→③[トランザムフレーム]
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/49b80d1829396946c43d9edbbe0140da.png)
①[フレーム]→②[トランザムフレーム]を[非表示]にし、③パネルインセット[-10]→OK
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/ac38c5b07a9ccc1a5d3924adf6fc6c93.png)
完成
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/deeacfc5d73747a7155414b6f0393a8f-1024x313.png)
![](https://atelierikemura.com/activites/wp-content/uploads/2022/02/a6372aad99ed294a7a31eddfdf6ee807-1024x562.png)
カーテンウォールの特性を利用する事で色々な可能性がありそうです。
在来瓦屋根参考にしてみてます。ありがとうございました。